公開シンポジウム

ペンギンを通して学ぶ生物の環境適応と生物多様性保全』

日時:9 月 16 日(月・祝)9 時 30 分~12 時 15 分
場所:東京芸術センター天空劇場(東京都足立区千住 1 丁目 4-1)
コーディネーター:森 貴久(帝京科学大学)・山本誉士(統計数理研究所)

後世に豊かな生態系および自然環境を残すため,生物多様性の保全は社会的な喫急の 課題です.2020 年に開催予定の東京オリンピックでは「環境保全との両立」がテーマとし て掲げられており,今後私たちの生活において生物多様性や自然環境の保全を考える機会 は益々増えることが予想されます.しかし,エコという言葉が広く認識されているように, 自然環境を守る重要性については多くの人が賛同する一方,生物多様性を保全する上で重 要な鍵の 1 つである生物の環境適応については未だ一般的な認識が乏しいのが現状です. 生物多様性の保全を考える上では,現存する生物種や自然環境を単に守ることに留まらず, 彼らがどのように生息環境に適応しているのかについても理解する必要があります.生物 はこれまでの長い進化の過程で,生息環境に適応した行動や生態を獲得してきました.そ のため,彼らの環境適応機構を理解することにより,環境変化が当該生物種に及ぼす影響 の Why(なぜ?)および How(どのように?)をより明確にできると考えられます.

そこで,今年は「ペンギンを通して学ぶ生物の環境適応と生物多様性保全」をテーマに,ペンギンを題材として,様々な視点から話題を展開することで『生物−環境−人間活動』の関係について包括します.シンポジウムでは,まずは地球史スケールの環境変動と関連し た彼らの進化(安藤達郎・足寄動物化石博物館)および水中環境に適応した行動・形態的 特徴(佐藤克文・東京大学大気海洋研究所)の概要を説明した上で,近年の温暖化による 間接的な影響(高橋晃周・国立極地研究所)や漁業活動などの直接的な人為的影響(山本 誉士・統計数理研究所)について紹介します.そして最後に,コメンテーター(上田一生・ 日本ペンギン会議)と一般参加者を交えて,生物多様性保全と生物の環境適応の関係につ いて理解を深めるパネルディスカッションをおこないます.

生物多様性の保全を効果的に推進していくためには行政や研究者のみでなく,社会一般 の認識を広めることが必要不可欠です.今回はペンギンという単一種を例に取り上げます が,本シンポジウムを通して,これまでよりも一歩進んだ生物多様性についての理解を深 めていきたいと思います.皆様の積極的なご参加をお待ちしております.